SpecialInterview
今金町役場 まちづくり総合戦略室
室長 山田 薫
出身地: |
今金町 |
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略 歴: |
48歳で役所に就職して27年。現在は、今金町の自然や田舎暮らしの風景・花・食べ物・地域イベントなど地域の魅力を町内外に紹介する仕事に携わっている。 |
趣 味: |
家での晩酌(特にハイボールが主流) |
障がい者雇用のオペレーション作りも、6次化の取組も町の懸案事項でした。昨年町民と皆さまの代表で取りまとめた「今金町総合戦略」の中でも、「福祉と地域産業を調和させるまちづくり」というテーマが取り上げられています。3年前からの商工会の取組も国に認められて、内閣府から第1回の地域再生計画の認定がおりましたので、今年から3カ年にわたる国の支援もいただけることになりました。
その点で、行政と民間が連携しながら進んでいけるということは、今金町始まって以来の画期的なことと感じています。
今金町にある高等養護学校は町外から多くの生徒がやってきますが、卒業すると町外に散らばっていきます。その卒業生になんとか町内に就労していただき、定住人口の増加に繋げていくことで、産業の振興に結び付けていくことが戦略の柱となっています。
高等養護学校の生徒が今金町に就労することで、家族が今金町に訪問したり定住する可能性も広がります。まずは、今金町に卒業生が就職してもらう仕組みが必要です。
ソフトの整備だけでなく、住宅などのハード整備も役場の担う役割と感じています。地域創生関連の補助金や交付金もあるので、それらの財源を活用してハード整備などを行う必要があります。
具体的にはまだありませんが、障がい者以外にも車を持たない高齢者の交通手段の確保などを実現して住みやすいまちづくりをしていかなくてはならないと考えています。高齢者についての取組も総合戦略に含まれており、重要なテーマとなっており、高齢者のバスカードやデマンドバスなどの外出支援の取組が実現しつつあります。高齢者もお子様も誰でも利用できるデマンドバスで、利用料金は1回200円の定額運賃です。冬道の運転が苦手な方も利用できますし、個人の玄関先まで迎えに来てくれます。
移動手段を確保しないと孤立する集落も生まれ、町は衰退していきます。それを解決するためにコミュニティの取組と移動手段の確保が必要です。運賃の差額は国と町が負担するようになっています。今後永続的に実施するためのひとつのステップとして運用しています。利用者は27年度3,000人で、31年度には4,600人にする計画です。
産業が元気でなければ町は成り立たないと思うので、商工業に限らず農業などすべての産業に従事する方々が夢を見られるような活力のあるまちづくりをしたいと考えます。人が住んでいてもぎくしゃくした町ではなく、みんなでコミュニティを支えていくというビジョンが必要です。総合計画5年が終わったら、その結果を検証して次の5年に向かっていきたいと考えています。
今商工会が推進している事業は画期的です。このような連携が図れるのが今金町の特徴で、それを今回は行政ではなく商工会が担っているというのがこの事業の魅力です。民間が推進してそれを行政が支援するというやり方がまちづくりとしては成功する方法だと思います。気運が盛り上がっていることが大切なポイントです。
いままでは、それぞれの組織で頑張ってきましたが、商工会プロジェクトを中心として連携が図られ、考え方も変化してきたと思います。まだまだ課題は沢山ありますが、一つ一つ検証しながら進んでいければ、今金町は良くなると感じています。議会も心配はしていますが、課題についての疑問を提示していただいています。それを協議会で議論し、改めて課題整理をしながら取り組んでいく必要があります。商工会の皆さんも議会に傍聴に来られ、議論を聞いて同じ温度を共有できていると思います。
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