Special Meeting

座談会 @デ・モーレンいまかね

Session 1

— 山村協議会は多様なメンバーで構成されています。これまでにこのような形で、商工会、役場、農協、光の里、養護学校の関係者が集まって話し合う機会はあったのでしょうか。

寺崎一対一はありましたが全体ではなかったですね。

戸室昨年の研修会で話をする機会が持ててありがたかったです。お互いの事業については具体的には把握していなかったですね。

— ヒアリングをしてみて、それぞれの役割が違い、お互いの欠けている部分が上手くかみ合ってくると感じました。ちなみに養護学校が担う役割についてお話いただけますか。

柴尾人材育成が学校の役割と考えています。そのためにこういった場でいただいた意見を担当の先生にお話しするようにしています。

寺崎町は総合計画に基づいて進める必要がありますが、最近は戦略的に人口減少対策を考える必要があり、それが商工会の目指すことと合致して、お互いにとって良い事業だと感じています。

— 障がい者の人格は表舞台に立たないというイメージでしたが、業界内でそのような面を感じることはありますか。

戸室多くの人は施設や家にいるというイメージが強いと思いますが、昨今は町で活躍できる場を社会福祉法人などが作ることが多くなってきています。光の里も授産施設や店舗等を出しています。そうした中で将来のために何かを仕掛けるべきだと思っていましたが、その方法がわかりませんでした。今回のプロジェクトでは皆で町を作っていく視点が必要だということを感じ、一つの方向性に向かう良い機会だと感じています。

— 障がい者の人格は表舞台に立たないというイメージでしたが、業界内でそのような面を感じることはありますか。

戸室多くの人は施設や家にいるというイメージが強いと思いますが、昨今は町で活躍できる場を社会福祉法人などが作ることが多くなってきています。光の里も授産施設や店舗等を出しています。そうした中で将来のために何かを仕掛けるべきだと思っていましたが、その方法がわかりませんでした。今回のプロジェクトでは皆で町を作っていく視点が必要だということを感じ、一つの方向性に向かう良い機会だと感じています。

Session 2

— 商工会としては、このような連携がうまくいくと当初から想定していましたか?

下田屋このままでは今金町はいけないと感じて商工会が音頭をとって始めました。今まではJAと相反することもありましたが、そのような関係では立ち行かないと感じました。様々な人の力を借りて連携していかないと、今金町自体が成り立たないという思いがありました。

螺良正直に言って当初は難しい事業だと感じていました。その中で視察、研修などに参加し、会議では町内のいろいろな方々と話をすることによって、見識が変わってきました。どのようにすることが町にとってベストかを考え、養護学校の先生方の話を伺う機会を設け、雇用という点ではやはりJAの手助けが必要と感じましたし、挫折したときには工藤部長にも助けていただきました。会議に出ている人たちの中では方向性についての考えが固まってきていると感じています。

— 先日もJAさんの導きで視察にも行きました。いろいろな地域を見てきていますが、このようにまとまりのある町は珍しいと感じています。

工藤このような連携をしている農協は、聞いた限りではあまりないですね。JAは再編が進んでいて、今金町のような1町1農協は貴重な存在となっています。再編されると異動の関係で土着しない職員が入ってくるようになるそうです。土日になるとそういった人たちは地元に帰ってしまい、ちょっとした会合でも人が集まらないということを聞きます。催事でも人が集まらないそうです。そういう点で、今金町の人だけの会合であることは大事なポイントだと思います。

— 多様な組織を調整する立場は大変ではないかと感じますが。

小林町の主要人物が集まるところでの調整は大変ですが、まちづくりという観点で人口減少という町の課題がはっきりしていました。実際に進み始めると思いは一つなので、少しずつ成果が出ていると感じています。また、養護学校という公立の学校が商工会の事業に参加してくれて、さまざまな就労実習体験も行ってくれました。この取組に合わせてカリキュラムの見直しまで決断してくださっていることは非常にありがたいことです。お互いに良い関係で進んでいくことが重要だと感じています。

Session 3

— 昨日個別にお話を伺いましたが、柴尾教頭は人材育成という点では今金町で働く人づくりをすることが学校の役割だという話をされていました。また、工藤部長からはJAには雇用を生む役割があるというお話でしたし、また役場は仕組みを地域に合わせて柔軟に変えていくのが役割で、まちづくり会社はそれを有効にオペレートする中心のギアになる気がしています。また、光の里は住まいや教育の部分で携われる重要なキーステーションとなると感じました。進む上での課題も見えてきて、商工会ではまちづくり会社設立に向けて具体的に動く段階ですが、ここにいらっしゃるメンバーがまちづくり会社を担っていくことになると思います。その点で、今後のまちづくりに対する思いをお聞かせください。

螺良まちづくり会社はどこが主幹になるかによって形態が全く変わってくると思います。今金町としてはまちづくり会社に対してどのようなスタンスでいるのかが一番のポイントと思います。まちづくり会社の向かう方向によって行政も後押しする態勢を取ってくれないと、この事業は上手くいかないと考えます。あくまでもお互いの考えを持ち寄って話し合わないと、片方だけでは誠意も伝わらないとい思いますし、同じスタンスで話すべきだと考えています。やるからには失敗したくはないと思います。

小林シンプルに考えるべきだと思います。あえて仮称まちづくり会社となっていますが、町の中の課題を解決するために生まれる会社です。人口減少問題を解消したり、労働力不足を解決する役割や、農産物の消費拡大のための加工に携わる役割を担う組織です。就職先が増えると学校も入学者が増えるし、障がい者を支援する人が増えて最後には商工業も潤うようになります。互いの利益よりも循環型の軸となるようシンプルに考えるべきです。障がい者就労も未来永劫続いていく話です。そのためにできることから始めるのが理想だと考えています。

戸室ここにいるメンバーが腹を割って話し、ここに集まってきている人が一つになれることが重要で、その上で向かっていくべき目標を定めるべきだと感じています。

小林議論が先に進めない部分がお互いにありますが、そこから一歩進まない限りこの事業は成り立っていきません。それぞれが自分が担うという思いでやっていかないと難しいと感じます。

— 役場は組織の人員が一番多いところだと思いますが、全員に考えを浸透するには大変だと思います。役場内では町づくりの戦略に対しては3年前と比べてどう変化して受け止められているのでしょうか。

寺崎プロジェクトの始まりである養護学校卒業生の雇用の確保や農福連携についての理解はできつつあります。ただ、まちづくり会社については共通理解ができていないのが現状です。持続するまちづくり会社にするためには具体的な業務内容や収益性などを考える必要がり、その合意形成にはもう少し時間が必要だと感じています。

— 各論に進むと数値的な裏付けは求められてくるところです。そういう点で、このメンバーでの役割にコミットしてサービスを積み上げていってまちづくり会社の経営を安定させる必要もあります。JAの立場では、課題はあるにしろ障がい者雇用は農業者から見ても期待は高いのでしょうか。

工藤農協は組合員のためにあります。この協議会には青年部と女性部が参加していますが、ここのメンバーの子どもたちは何人いるかという話から始めました。農業者は300戸で4人家族だとして1,200人です。町の人口の残り4,800人は農業関係者ではありません。1,200人で町ができるのか。孫の時代に人口はどうなっているか。孫の友達を増やすために、人口減少を食い止めるためにはどうすればよいのかということで青年部と女性部を誘っているわけです。

障がい者に限らず今金町に雇用先があって人が住むようになることが大きなテーマなわけです。農業人口は減っていても農業の売り上げは変わっていません。農業は機械は入っていても手作業が多いのです。昭和30年は1万2,000人がいましたが60年後に半分になりました。売上は減っていないけれど人口が減っているということは、働く人の負担が増えているということです。今金町の中で労働力を確保する必要があります。その点で、この事業は是非実現し成功させたい。今私たちが努力しないと孫の世代が大変になります。今の中学生が学年30人いるとして、全ての生徒を今金町で雇用できるのかどうかということが課題であって、それができなければ町の人口は減る一方なわけです。

螺良まちづくり会社を作るに当たっては、ある程度年齢が高い人も必要だが、若い人も必要です。どんどん先の世代に伝えていく必要があります。これから頑張る人、次の世代に残せる会社を作るべきだと感じています。

Session 4

— JAが単体でも存続しないし、役場が単体でも存続できません。多様な人がかみ合うことで維持していけるということだと考えます。この事業をきっかけにそれを次の世代に伝えていくことが重要です。商工会女性部の渡邊部長もその話をされていました。女性部としては情報を地域の皆さんに伝えることが役割だとおっしゃっていました。それぞれの役割がかみ合うことでより具体的に見えてくるのではないかと思います。
最後にまちづくりに対する期待をお聞きしたいと思います。

柴尾学校の先生は最低限の人づくりが使命だと感じています。その子どもたちを育てることもそうですが、教員も狭い世界で生きているため、様々な人と関わることが人間力のアップにつながると感じています。子どもに対してだけでなく、教師にもさまざまな情報をいただけると有り難いと思います。教師が成長することで子どもにも良い影響が与えられ、町に残ってくれる子どもたちを育てていけるのではないかと感じています。

戸室光の里は障がいを持たれている方が地域でその人らしく暮らせるようにする事が役割ですが、次代を担う若者を巻き込んで町が元気になっていくことが求められます。そのシステムを作っていくべきだと思います。若者が関わることで新しい発想が生まれ、にぎやかになることでこの町に残りたいという子どもも増えてくるのではないかと感じています。

寺崎今金町の特徴としてすぐれた自然環境、生産環境と住んでいる人たちの協調性と行動力が特徴です。福祉の里づくりも続いている中で、そこに地域産業が加わるというのがこの事業のイメージです。地域産業が成り立ち安心して暮らせる町となることを期待しています。

下田屋それぞれの立場ではどうしようもなくなってきています。それぞれが得意とする分野で補い合うことで、利益追求型の会社とは違う新たな会社ができるのではないでしょうか。この町は違うという町にしていきたいと思います。

工藤とにかく農協は農業者のためにあるというのが大前提です。まずは農業者の問題を解決することをまちづくり会社に期待しています。ただ一方的に農業者が利益を享受するのではなく、今金町のまちづくりに共感する場だと感じています。私どもは農業者のため、そして農業者は町のためという共感の場づくりが重要に思えます。

螺良まちづくりは人を作り次の世代に残していくことだと思います。人間関係を構築していくことが求められます。若者をこういったワーキンググループに取り込み、どんどん発言して彼らの能力を発揮してもらうことが、今金町をよくすることだと思います。まちづくり会社は、あくまでも地域の方が必要とするものについてお手伝いしていく姿勢が求められます。

小林プロジェクト3年間の中で、この場が今までで一番濃い時間だったと感じています。踏み出して良かったとあらためて思いました。

これだけの異業種が集まり、それぞれのメリットも確保しながらまちづくりを進めましょう。商工会がきっかけとなれたことは非常に嬉しいし、これが長く続くことを願っています。ある人から「プロジェクトに関わるメンバーが最も重要です」と言われました。このようなメンバーで集まれてよかったと感じています。

プロジェクトは空回りもしているが、賛同してくれる人が増えてきていることを実感しています。TTNコーポレーション、桜フーズなど今金町の応援団が増えています。そのようなネットワークを皆の力で作りこの事業が成功することを願っています。シンプルに考えて皆の課題を解決できる仕組みを作るべきだとあらためて思います。

facilitator

ファシリテーター
(株)TAISHI
木村 潤一郎

Efforts

  • 01

    未利用資源の6次産業化

  • 02

    農と観光の連動による交流人口拡大

  • 03

    雇用シェアリングオペレーション

今金町山村活性化協議会

〒049-4307北海道瀬棚郡今金町字今金142-39TEL. 0137-82-0724FAX. 0137-82-0740