Interview

求められる人材の育成・輩出を目指して

北海道今金高等養護学校
教頭 柴尾 尚文

Profile

職 歴:

中標津高校、滝川西高校、奈井江商業高校を経て平成27年今金高等養護学校に着任

趣 味:

野球観戦

愛用品:

シャープのボールペン(卒業した大学からもらったもの)

今金町の印象。

活気があって、
町民もフレンドリー。
魅力あふれる今金町。

今金は住みやすい町です。他の町との距離感もほどよく生徒も素直だし、若い先生が多いので活気がある町で、気候も良いし、町の人たちが受け入れてくれる気風があります。

協議会での役割。

仕事内容と生徒の能力との
マッチングを図り、
卒業生の定期雇用を促進

商工会事業については、委員の依頼があった時に「すごいことだな!」と感じました。今金町は教育委員会の受け入れ態勢も非常に整っています。この事業の中で卒業生の定期雇用には大いに期待しています。学校としては仕事内容と生徒の能力とのマッチングを図らなくてはなりません。そのためには、まちづくり会社や植物工場が、将来生徒の実習を受け入れてくれるようになると助かります。
加工会社ができたら、学校の授業に加工に関しての実習を取り入れる可能性はあります。自分で作った芋を調理する実習も考えられますが、ハードの設備が必要となる実習は今のところできません。

授業内容について。

個々の長所を活かした授業で、
たくましく生きる生徒を育てる

産業科・農業科の場合は3分の2は英語や数学の授業ですが、3分の1は職業に係る授業をしています。生活家庭科の場合は3分の2は生活に関わる授業をして、3分の1は作業をしています。
養護学校の生徒は集中力に優れています。一つの仕事に対する集中力は素晴らしいものがあります。もう一つは敏感であること。同じことを続けていて、なにか変化があるとすぐに気づくという面が優れている点です。

取組への貢献。

ニーズに応じた人材を育成し、
企業が求める働き手を輩出

求めている人材を教育し輩出できる点が養護学校の役割と考えます。このような資質の人材がほしいといわれれば、それに適した人材を送り出すことができます。ニーズがわかれば、カリキュラムの工夫も可能となります。
宿舎は生活に係る訓練の場でもあるので、室長を決めて、室長会議をしたり、掃除洗濯など身の回りのことは自分たちでやるようになっています。洗濯機は二層式のものを使っています。生徒は料理は自分でできませんが、あとは自分でできるようにしています。余暇時間にゲームはできますが、ゲームのできる時間は決められています。携帯電話は持ち込み禁止です。5時に宿舎に帰り、9時半には就寝の時間になるので、健全な生活を送っています。

今金町の将来。

町民との交流を増やし、
生徒にとって
人生の幅が広がる環境に

定期雇用が確保されれば、養護学校としての生き残りができる。普通高校は早いペースで減ってきているので、いつか今金高等養護学校もなくなるのではないかという不安があります。町と連携した就労先の確保ができれば、学校としても生き延びられると考えています。町としては通過型でも良いので観光による交流人口が増えるとよりよくなるでしょう。
町の住民と生徒との交流は現状ではそれほどありません。夏祭りに参加させていただいて、初めて町の皆さんも養護学校生徒の能力水準に気づいていただけました。町内会の清掃活動にも今年初めて参加させていただき、以前は町民体育祭にも参加させていただいていておりました。もう少し交流事業を増やしていけたらもっと良くなると思うし、その繋がりを在学中に作ってあげるのも学校の仕事だと思っています。
卒業生も誰と付き合っていくか悩んでいる面があります。結局卒業生どうしで付き合うしかない状況ですが、学校以外との交流が増えることによって、卒業生以外との付き合いもできるようになり、人生の幅が広がると思います。町民の方からは良く声をかけていただいており、感謝します。
外との交流は学校としてのリスクもありますが、やっていかなくてはならないことだと考えています。養護学校の生徒は他の高校生と違って、一人で外出はできないことになっています。交流の内容によって、学校側としては人選も必要になります。

学校OBと町民との交流が、経済効果につながる

養護学校のOBが今金町を訪れると町の経済効果にもつながりますが、誰が主催するか工夫が必要になります。学校の責任でツアーを実施するのは難しい面がありますが、外の会社が運営するのであればOBのツアーも可能であると考えます。

取組のなかでふさわしい人材づくりをするのが、養護学校の役割。

町と商工会とTTNの仕組みの中で、それにふさわしい人材育成をしていかなくてはならない責任を感じています。人選をしなくても、どの生徒を送りこんでも採用されるような人材づくりをしていくのが養護学校の役割だと感じています。

Facility Guide

北海道今金高等養護学校

生涯にわたるキャリア発達の育成を目指して、
地域学習・共同学習への取り組みに力を入れています。

平成9年開校。地域の学校として企業や農場での職場実習、各種行事への参加、施設開放事業など学校と地域との相互互恵的な関係を築き、地域の道路沿いの花壇つくりや廃油せっけんや紙すきによる便箋・名刺製作など地域の環境や素材を生かした授業も行っています。

【北海道今金高等養護学校】 北海道瀬棚郡今金町今金454-1
TEL:0137-82-3121 FAX:0137-82-3092 E-mail:imayou@hokkaido-c.ed.jp

Special Meeting

座談会@デ・モーレンいまかね

Efforts

  • 01

    未利用資源の6次産業化

  • 02

    農と観光の連動による交流人口拡大

  • 03

    雇用シェアリングオペレーション

今金町山村活性化協議会

〒049-4307北海道瀬棚郡今金町字今金142-39TEL. 0137-82-0724FAX. 0137-82-0740